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真夜中の贈り物
第9章 クレヴァスガーデンの淫らな花壇 後編
「おっ……おのれ、忍者の専売特許をっ!」

「あらぁ、特許だというならちゃんと出願しておかなきゃダメですわよ!」

 リンデーンには魔法などの秘術を開発した者の権利を守るための特許制度がある。

 が、勿論エヌフィーヌの言葉はアドバイスなどではない。

「娘っ子の分際で小癪ゲロッ!知った風なことを言うなじゃがあああっ!」

 ジャガマルが怒りにぷくうっと喉を膨らませる。

 エヌフィーヌの狙いはこれ。
 挑発による逆上だった。

 顔を真っ赤にして跳び上がったジャガマルの動きは、たやすく予測できるものだった。

「お仕置き忍法じゃがっ! 花遁、五月雨花吹雪(さみだれはなふぶき)っ!」

 躱しきれぬほどの数の花手裏剣が乱れ飛ぶ。

 だが、それは狙う対象が一人だけの場合だ。
 七体全てのエヌフィーヌ全てを狙うとなれば、効果は七分の一。

 分身したエヌフィーヌの、ある者は身を躱し、ある者は微動だにせぬまま手裏剣が突き抜けるにまかせる。
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