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真夜中の贈り物
第9章 クレヴァスガーデンの淫らな花壇 後編
 注意すべきは実体に対して放たれた手裏剣。
 そして、躱す動作で本体を特定されてしまわぬよう、移動しながら分身同士互いに位置を入れ替わり、幻惑し続けること。

 ゆっくりと、しかし休むことなくそれらの挙動を流れるように優美にやってのけるエヌフィーヌ。

「ぐっ……グヌゲロロッ!」

「無駄よ……いくら撃っても当たりはいたしませんことよっ!」

 七人の女魔法使い。七本の杖。
 それがジャガマルに向かってピタリと狙いを定める。

「今度は私の番ですわ……ユールラリー・ロック・オ・ストラース……爆ぜよ焔魔の勘忍袋……裂破焼夷弾(れっぱしょういだん)!」

 詠唱!

 だが、ジャガマルの大きな口がニタリと裂ける。

「かかったゲロな……わが手裏剣は花飾りにあらず……ゲロククッ、お庭忍法……」

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