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真夜中の贈り物
第9章 クレヴァスガーデンの淫らな花壇 後編
――ク……ククゲロ、判らぬじゃが……拙者がどこへと姿を隠したか。
どこかからか、ジャガマルの声がする。
気配もある。そして、それは近い。
相手の位置が判らないのは厄介だ。
おかげで迂闊に呪文を唱える事が出来ない。もし、すぐ傍に潜まれてしまっていたら、隙になるからだ。
とはいえ、分身している為、向こうもこちらの正確な位置は判じかねているだろう。
偽物(フェイク)に襲い掛かって外せば、敵に居場所を教えるばかりか反撃のチャンスを与えることになってしまう。
(だから、ジャガマルもおいそれとは攻撃してこれないはず……)
エヌフィーヌは冷静だった。
七体全ての像をそれぞれ絶妙な間合いで配置し、奇襲に備える。
じり……じり、と待つ。
油断なく、ほんのわずかな息遣いさえも聞き漏らさぬように。
背後にも目を配り、気を抜かない。
瞬きすらも惜しんで薄黄色の粉塵の狭い視界の中で精一杯の警戒を怠らない。
どこかからか、ジャガマルの声がする。
気配もある。そして、それは近い。
相手の位置が判らないのは厄介だ。
おかげで迂闊に呪文を唱える事が出来ない。もし、すぐ傍に潜まれてしまっていたら、隙になるからだ。
とはいえ、分身している為、向こうもこちらの正確な位置は判じかねているだろう。
偽物(フェイク)に襲い掛かって外せば、敵に居場所を教えるばかりか反撃のチャンスを与えることになってしまう。
(だから、ジャガマルもおいそれとは攻撃してこれないはず……)
エヌフィーヌは冷静だった。
七体全ての像をそれぞれ絶妙な間合いで配置し、奇襲に備える。
じり……じり、と待つ。
油断なく、ほんのわずかな息遣いさえも聞き漏らさぬように。
背後にも目を配り、気を抜かない。
瞬きすらも惜しんで薄黄色の粉塵の狭い視界の中で精一杯の警戒を怠らない。