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真夜中の贈り物
第2章 教官は世界の果ての 前篇
「そこのシミュレーターに……」

 ユリカさんに指示されて、大きな背もたれのついた椅子に座る。椅子というより、シートと言いたくなる。シミュレーターという事は、おそらく実際のロボットのコックピット内にある操縦席を模したものなのだろう。

「説明した通り、SLMA……隷従記憶合金はパイロットの性感エネルギーに感応して変形します。それがヴァギナスの動作原理」

 ユリカさんのいう事はチンプンカンプンだ。
 特に、性感エネルギーでどうこうってのが想像つかない。
 だが、俺は黙ってシートに身を埋めたまま話を聞く。

「パイロットは自分で性感を制御できるようにならなければならない……そこで、訓練も特殊なものとなります」

 なんだか……ええと、つまり、よくわからないが……話の行きつく先はものすごくエッチな事のような気がする。

 いや、俺の考えすぎか?
 俺が助平なだけか。うん、きっとそうだ。
 男なんだからしかたないよな。

「わかるわね? 貴方は性器を刺激されて快感を感じても、射精しないで耐えられるようにならなければならないの」

 って、うわああああああああああああああああ!

 まんまじゃないか!
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