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真夜中の贈り物
第13章 童貞コロシアム

 その前は自分は何をしていた所だったか。混乱する頭を素早く整理しようとするのはさすがの学年トップの面目躍如か。

 身を起こしてあたりを見渡す。
 ざわつくスタンド。

(人が入っている……観客……? ウチの生徒たち……? 男ばかり?)

 いや、女が一人。
 スタンドではなく、すぐ傍に、陽太郎を見下ろすように。

「キ……キミは……?」

 女だというのは見ればわかる。

 なにしろ、彼女はその性別を晶かとする肉体的特徴を隠すことなく曝け出していたのだから。

 柔らかそうなふたつの乳房、そして大きくくびれたウェストに、ふくよかなヒップ。淡い陰りのような恥毛は、可愛らしい女性器を隠しきれていない。

 身につけているのは、両手の大きなグローブと、リンクにエッジを立てたスケートシューズだけ。

(アイスホッケー……?)

 そう思ったのは、彼女が手にしているスティックのせいだ。
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