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真夜中の贈り物
第2章 教官は世界の果ての 前篇
そんな心の叫びも虚しく、ユリカさんは白衣をひるがえして研究室の扉の向こうへと姿を消した。
「さて……と」
ハルカが満面の笑みで俺を眺める。
物凄く不安だ。
「フィンガーロックして」
「フィンガー?」
「そこのリング、指通して……両手の全部の指……そう」
言われるままに、シートの肘かけの先についていたそれぞれ5本分ある金属製の指輪――なんだかメリケンッサクを思い起こさせる――に指を通す。するとそれがカシンッ!と音を立てて、締まった。
「指が……」
動かせない! 固定されてしまった。
そこへ、ハルカが小さな体でのしかかるようにして俺に覆い被さってくる。
「一応ね、教官を承諾する前に面通しさせてもらってるのよ」
「えっ?」
吐息が近い。
胸の上にハルカの体重を感じる。
「さて……と」
ハルカが満面の笑みで俺を眺める。
物凄く不安だ。
「フィンガーロックして」
「フィンガー?」
「そこのリング、指通して……両手の全部の指……そう」
言われるままに、シートの肘かけの先についていたそれぞれ5本分ある金属製の指輪――なんだかメリケンッサクを思い起こさせる――に指を通す。するとそれがカシンッ!と音を立てて、締まった。
「指が……」
動かせない! 固定されてしまった。
そこへ、ハルカが小さな体でのしかかるようにして俺に覆い被さってくる。
「一応ね、教官を承諾する前に面通しさせてもらってるのよ」
「えっ?」
吐息が近い。
胸の上にハルカの体重を感じる。