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真夜中の贈り物
第2章 教官は世界の果ての 前篇
っていうか、当たってる。
柔らかくて重たいものが俺の上に触れるか触れないかぐらいの距離にある。
股の間のシートの上にはハルカの片膝が割込み……これって……この体勢って、恋人同士でしかあり得ない体勢じゃないのか。
「ねえ、ちゃんと聞いてるの?」
すぐ目の前に、尖らせたハルカの唇。
薄くて、小さくて……それがすぼまって、いっそう小さくなっていて……。
怒った表情で険しくひそめられた眉の下で、大きな瞳が俺を真っ直ぐに見つめている。
「き、聞いてるよ……」
「だからね……私はOKってこと」
「え……なにが?」
「もうっ! 書類も写真も見せて貰ったし、実際に会ってみてお話もしてみてOKしたって言ってるの!」
お話……? お話なんてしたっけ?
「……あっ」
「そうよ、さっきのベンチ……あれ、最終審査」
「そうか……」
あれは彼女による俺への面接だったのか。
彼女は何かを待っていたのではなく、あれこそが用事だった……。
「……合格よ、キミ」
唇が重なる。
柔らかくて重たいものが俺の上に触れるか触れないかぐらいの距離にある。
股の間のシートの上にはハルカの片膝が割込み……これって……この体勢って、恋人同士でしかあり得ない体勢じゃないのか。
「ねえ、ちゃんと聞いてるの?」
すぐ目の前に、尖らせたハルカの唇。
薄くて、小さくて……それがすぼまって、いっそう小さくなっていて……。
怒った表情で険しくひそめられた眉の下で、大きな瞳が俺を真っ直ぐに見つめている。
「き、聞いてるよ……」
「だからね……私はOKってこと」
「え……なにが?」
「もうっ! 書類も写真も見せて貰ったし、実際に会ってみてお話もしてみてOKしたって言ってるの!」
お話……? お話なんてしたっけ?
「……あっ」
「そうよ、さっきのベンチ……あれ、最終審査」
「そうか……」
あれは彼女による俺への面接だったのか。
彼女は何かを待っていたのではなく、あれこそが用事だった……。
「……合格よ、キミ」
唇が重なる。