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真夜中の贈り物
第13章 童貞コロシアム
「はぁいっ!」
向き直った雪希が陽太郎目掛けてまっしぐら滑り出す。
「う……うわっ……うわああああああっ……!」
転倒した姿勢のまま、呆然と見とれて脱出のわずかなチャンスを棒に振った陽太郎は、悲鳴を上げてようやく逃走を開始した。
勿論、そんなことで雪希の手を逃れられるはずもなく、背後からアッサリと追い越して華麗なターンを決めた雪希に立ち塞がられてしまう。
「あ……う、うあ……」
「そんな顔……しないでいいの……怖くないから……き、気持ちいいだけだから……」
上ずった声で雪希が迫る。
しかし、怖いとかそういう問題ではない。
「ひえっ……!」
慌てて逆方向へと踵を返す。
しかし。
ヒュッ……!
手にしたスティックを雪希が振る。
すると、見事なコントロールで学生服に挿しこまれたブレイドが、全てのボタンを内側から一気に弾け飛ばす。
「わああああああっ……!」
そのまま返す刀で陽太郎の足もとをスティックが襲い、ひっかけられて転ばされる。