この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
真夜中の贈り物
第16章 ボイストレーニング
亜優の、ナチュラルに驚いた顔を見て、鏡花が思わず破顔した。
「アハハハハ! 私も昔そう思っていたよ。でもね、よく考えてごらん。呼吸というのは肺以外ではできないんだよ。当たり前のことだけれど……」
確かに。言われてみればそうだ。お腹で息などできるはずがない。
「胸式呼吸、腹式呼吸と言われるけれど、どちらも肺で息をしていることには変わりがない。肺と言うのは心臓と違って自分で勝手に動く器官ではないから、何か他のもので動かさなくてはならない。肋骨を使って肺を押し引きするのが胸式……そして、横隔膜を使ってそれをするのが腹式というわけなんだ」
眼鏡の奥で大きな目をニッコリと細め、鏡花が説明する。
「ちょっとそこに仰向けに横になって」
「あ、はい……」
「アハハハハ! 私も昔そう思っていたよ。でもね、よく考えてごらん。呼吸というのは肺以外ではできないんだよ。当たり前のことだけれど……」
確かに。言われてみればそうだ。お腹で息などできるはずがない。
「胸式呼吸、腹式呼吸と言われるけれど、どちらも肺で息をしていることには変わりがない。肺と言うのは心臓と違って自分で勝手に動く器官ではないから、何か他のもので動かさなくてはならない。肋骨を使って肺を押し引きするのが胸式……そして、横隔膜を使ってそれをするのが腹式というわけなんだ」
眼鏡の奥で大きな目をニッコリと細め、鏡花が説明する。
「ちょっとそこに仰向けに横になって」
「あ、はい……」