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真夜中の贈り物
第3章 教官は世界の果ての 後篇
 俺はヴァギナスを人型に戻すと格闘の姿勢をとった。

 といっても、格闘技の心得があるわけじゃない。
 喧嘩だってガキの頃友達としたぐらいしか憶えていない。

 腰を落して片腕を前に上げ、見よう見まねのボクサーのようなポーズをとる。
 その腰がビクッと引ける。

 オーガズマイザーに官能させられ、快感で痙攣したのが機体にも伝わったのだ。

「う……ううっ……」

 カズノコ天井という言葉があるが、俺の怒張を圧迫する隷従金属の性具は、それと似たような状態に内側を変質させていた。

 粒状のざらつきが心地良く俺の皮膚を刺激し、そしてそれがローラーのように回転して耐えることのない甘い摩擦を産み出しているのだ。

「あっ……くっ……うあ……あっあ……あ……」

 呻く。
 他に耐える方法はないのか。

 敵が、敵が俺を叩き潰そうと拳を振り上げているのに!

 グワアッ!

 叩きつけられるゴリラパンチ。
 長い腕を振って遠心力の加速充分の重い衝撃。

「がああああああああっ!」

 機体がひっくり返り、シートの中で頭を打つ。
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