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真夜中の贈り物
第4章 宰相と姫君の契り
「……宰相? そんな呼び方をしろと言ったか?」
「もっ、申し訳ございません! ご主人様!」

 おお、誰が信じよう。

 あの気高く清楚なティア姫が、このような屈辱に甘んじ、あまつさえ「ご主人様」などと口にするとは!

 だが、ティアはこの責め苦に呻きを漏らしながらも、どこか恍惚と……愉悦めいたものを乙女の肉に感じているらしい。

 それは、悩ましげに寄せられた眉、或いは、わななく唇の、長い睫毛の震えに見てとることができた。

 吐いている息は、苦痛によるものだけではない。
 甘い桃色の疼きが逃げ場を求めて放たれているのだ。

 肌の火照りは、羞恥と血流によるものだけではない。
 今、姫の体内を焦がすのはどうしようもない程の浅ましい劣情であった。

 今日……いや、すでに刻(とき)は深夜を周り、昨日の事であったが、王宮の宰相執務室で初めて手ごめにされ、ここに連れて来られての今にいたるまで、さんざん凌辱された肉体は、それでもなおいや増す情欲にさいなまされ、初時用し続けていた。

(なんと嬲り甲斐のある女よ!)

 賛嘆の念を禁じ得ぬまま、しかしそれを顔には出さずにシヂはソファに仕込んである小さな舵輪を回す。
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