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Memory of Night
第7章 夏祭
「どう? よく似合ってると思わない?」
「……気色悪い」
着替えが終わり、宵の髪を結わえ終えると、晃は宵を化粧台の鏡の前に連れて行った。
感想を聞いてみたが、やはりあまりいい反応は返ってこない。
「そんなことないって。逆にハマり過ぎてて怖いよ」
深い青色に金の糸であさがおの刺繍が施されたゆかた。
似合うか似合わないかは別として、確かに鏡の中の自分は女物のゆかたを着ていてもなんの違和感もなく、宵は複雑な気分になる。
それにゆかたは胸の辺りをぎゅうぎゅうに締め付けられて息苦しいし、長い袖はひらひらしていて邪魔だし、足はあまり開けないしで着心地は最悪だった。
こんな格好で一日中にぎやかな祭を歩きまわるのかと思うと、今からひどく疲れた気分になってしまう。
そして、髪型。鏡に映る自分の髪型は、頭の上の方で一つに束ねた髪を三つ編みにし、それで輪を作るようにして赤い布で結わえてあった。
「……ずいぶん器用なんだな」
思わずそうつぶやいてしまう。