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Memory of Night
第7章 夏祭

 宵は唖然とその姿を見送った。呆れるほどに俊敏な動きだ。
 渡された飴を見つめ、袋を開いて中からりんごを形づくった赤い飴玉を一粒取り出す。
 口に放り舌の上で転がすと、懐かしい味がした。
 その味を楽しみながら、宵は背中を木に寄りかからせた。冷んやりしていて気持ちいい。
 ふいに上を見上げると、こもれびで葉がキラキラしていて綺麗だった。
 この辺りは人もそれほどいないので、静かで、うとうとしてしまいそうだ。
 軽く伸びをし視線を戻すと、五、六才くらいの小さな少女と目が合った。大きな目のかわいらしい少女だ。
 ピンクのゆかた姿で髪を二つのおだんごにしている。金魚の二匹入った袋とヨーヨーを二つ両手に提げて、少し離れたところからじーっと宵を見つめていた。

「……何?」

 ぽかーんと口を開けたまま、あんまりじーっと見つめてくるので宵がそう問いかけると、少女はおそるおそる宵の側へ近づき、つぶやくように言った。

「……おんなじカッコ……」
「……ああ、コレか」

 きっとこの少女は宵の着ているゆかたに惹かれて見ていたのだろう。
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