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Memory of Night
第7章 夏祭

 そんな少女に、宵はさらに質問を続ける。

「誰と来たんだ?」
「ママ。お姉ちゃんは?」

 聞き返され、宵は言葉に詰まった。

「んー……なんだろあいつ。セッ……」

 晃のことをどう分類したらいいかわからなくて考えていると、ふいにある言葉が浮かんだ。
 口に出そうとして、相手が子供なのを思い出す。

「トモ……ダチかな」

 さらに考えて、結局一番無難な言葉を選んだ。

「ふーん」

 曖昧な答え方をした宵に、少女は小首をかしげて笑った。
 それから「あ!」と声をあげ、言う。

「ねっ、ねっ、お姉ちゃん! 手、出して?」
「手?」

 宵が怪訝な顔をすると、少女はせがむように宵の手を両手で掴み手の平を開かせた。
 そしてそこへ、持っていたヨーヨーを一つ乗せた。

「くれんの?」
「あげるー! だって二コあるもん!! おトモダチさんが帰ってくるまでこれで遊んでればチャビしくないよォー!」

 無邪気に笑いながらそんなことを言う少女に、宵は思わず吹き出してしまう。
 どうやらこのヨーヨーは、少女なりの気遣いのあらわれらしい。
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