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Memory of Night
第7章 夏祭

「ありがと」
宵は、少女からヨーヨーを受け取りにっこり笑った。
「――へぇー。宵がそんなに寂しがってくれてたなんて、光栄だな」
「……!?」
突然頭上でそう声がして、宵はとびあがりそうになった。
顔を上げれば、晃がニコニコ笑いながら宵の顔を覗きこんでいる。
手に帯と同じ赤色の巾着を持って。
「でもダメだよ。こんな小さな子をナンパしちゃ」
「ちげーよ! ナンパなわけ……」
「宵ってロリコン?」
平然と聞いてくる晃に、宵はがくっと肩を落とした。
晃の場合、どこまでが本気なのかわからなくてたちが悪い。
だいたい、たった五、六才くらいの少女に手を出す高校生がどこにいるというのか。これではロリコン通り越して犯罪だ。
「マジでバカだろおまえ」
「宵より頭いーもん」
「頭のいい悪いじゃねーっての」
突然現れた晃と口喧嘩を始めてしまった宵に、少女はびっくりしながらも聞いた。
「そのチトとお姉ちゃん、おトモダチさん?」
だがそれに笑顔で答えたのは、宵ではなく晃だった。

