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Memory of Night
第8章 花火

「なんでそんなこと聞くんだよ?」

 充分すぎるほどの間をあけて、宵が聞く。
 晃は何かを言いかけて、すぐに口をつぐんだ。
 一瞬だけ宵の様子を窺い、再び口を開く。

「なんでその人のこと、名前で呼ぶのかなって思って。母親なのになんか少し変な気がして」

 夏休み初日の、あの音楽室での出来事を思い出す。
 酷い言葉と抱き方で宵を犯した日のことを。
 気を失ってしまった宵を保健室に運んだ時、うわ言のようにつぶやいた言葉を晃は今でも覚えている。
 確かに宵は志穂のことを母さんと呼んだのだ。
 あの時のことを、多分宵は覚えていない。
 だから確認することはできないけれど、晃には、あれが宵の素顔のような気がしてならなかった。

(……なんで今は名前で呼ぶんだろう。あんな、自分から距離を置くような真似)

 宵が志穂のことをとても大切に思っているのは間違いない。言動や行動から、それは痛いほど伝わってくる。
 ならば、なぜ?
 そこで晃はあることに思い当たり、顔を上げた。

「……もしかして、好きになっちゃったとか? 志穂さんのこと、女性として、さ」
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