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Memory of Night
第6章 再会
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あの時の状況は、実は晃本人にとっても誤算だった。
看護師である母の忘れ物を届けに協立総合病院へ行った帰り道、覚えたての道順を頭の中で考えながら歩いていた時、路地裏でたむろしている不良達を見掛けたのだ。
もちろん関わるつもりなどなかったが、聞こえてきた話が宵の話題だったため、つい耳をかたむけてしまった。
それは聞くに耐えない、随分と下品なやりとりだった。
晃がそれに怒りを覚え、不良達に視線を向けてしまったのが運の月だった。もともと目付きが鋭い晃の視線は不良達の勘に触ったらしい。
「ああ? テメー何見てんだよ! がん飛ばしてんじゃねーぞ!」
「俺らにたてつこうってのかぁ、ああ?」
しまったと思った時には、遅かった。
自分から手を出すわけには行かず不良達の攻撃をかわしていたが、ついに一発殴られてしまった。
この状況ならば、こちらから手を出しても正当防衛ということで許されるだろう。
そう思い、反撃しようとした時――宵が現れ助けてくれたのだ。
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