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第1章 初めまして、変態さん【完】

目的の駅に到着した。

少しだけ流れる人波に合わせて
私は、男の手から逃れられた。


いや、男はわかっていたのかも
私がこの駅で降りる事を

毎日、美弥の体を
触っていたんだから…。


駅のホームに降りてすぐ、
私は美弥に電話をかけた。


本当に痴漢は居た
信じてあげなくてごめん！

知らない人に触られる恐怖
思い出すだけで吐き気が来る。


長いコール
美弥が電話に出ない

まさか！


私は再び発車した電車を
振り返った。

美弥は降りて来てない？


人が行き来するホームを見渡した。

だけど、人が溢れすぎて
美弥が居るのか居ないのかも

確認が出来ない。


もう一度、電話をし直す。

だけどやっぱり、
美弥は電話に出ない。


まさか、降りてない？
あの電車に乗ってるの？


振り返るともう
電車は見えなくなっていた。