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恋花火
第19章 愛情オムライス
ほんのついさっきまでは、幸せの絶頂にいた。
陸先輩と距離が近づいて、すごく、すごく嬉しいと思った。
「菜月ちゃん?タオルもらっていー?」
部員にタオル渡さなきゃいけないのに、ものすごい力で握っていたらしい。気付いたら隣に陸先輩がいた。
「あっ、どうぞ!!」
「ありがとー」
こうしてにこっと笑う陸先輩は、私が知ってるいつもの陸先輩。
……本当は、ユリ先輩の言う通りもっと違う陸先輩がいるのだろうか。
それにさっき言っていた、茜先輩の気持ちって……?
茜先輩はタケルが好き。
だけどさっきのユリ先輩の口ぶりからすると……
その時、今の今まで忘れてたタケルの姿を見つけた。
今は15分休憩の時間なのに、タケルはコーチとマンツーマンでシュート練習している。
「タケル気合入ってんな。」
「ですね。なんでですかね?」
「さっきのミーティング聞いてなかっただろ〜」
陸先輩は私のほっぺをグリグリしてきた。
「次の大会、あいつスタメンだよ。」
「ふーん……え!?」
「一年からは、タケルとレンだけ選ばれてる。」
それって、とてもすごいこと。
私達の通う高校はサッカーの強豪校。
三年生でもスタメンに選ばれないなんてザラにある。
なのに一年からスタメンって。
「大丈夫なのかな…?」
「大丈夫。あいつはサッカーセンスあるからね。」
サッカーセンス云々というよりは……
タケルは、プレッシャーにめっぽう弱い。
足が速いから、小学校のときから運動会はリレーに選ばれてたけど、当日の朝は必ずおなか痛くなっちゃうし
中学の卒業式では答辞を任されていたのに、前日から高熱を出していた。
心配だ、これは心配だ。
……でも、私があれこれ心配しなくても
タケルには茜先輩がいてくれるから大丈夫だね。
しかしさっきのユリ先輩の言ってたことが気になる。
「ほんと百面相。見てて飽きない。」
陸先輩はそう言って笑う
"一番ひどいのは陸"
"茜の気持ち知ってて"
"陸のこと何も知らないんでしょう?"
"菜月ちゃんと陸の恋は人の不幸の上に成り立ってる。"
ユリ先輩の言葉が、私を重い鎖で縛り付けている。
陸先輩と距離が近づいて、すごく、すごく嬉しいと思った。
「菜月ちゃん?タオルもらっていー?」
部員にタオル渡さなきゃいけないのに、ものすごい力で握っていたらしい。気付いたら隣に陸先輩がいた。
「あっ、どうぞ!!」
「ありがとー」
こうしてにこっと笑う陸先輩は、私が知ってるいつもの陸先輩。
……本当は、ユリ先輩の言う通りもっと違う陸先輩がいるのだろうか。
それにさっき言っていた、茜先輩の気持ちって……?
茜先輩はタケルが好き。
だけどさっきのユリ先輩の口ぶりからすると……
その時、今の今まで忘れてたタケルの姿を見つけた。
今は15分休憩の時間なのに、タケルはコーチとマンツーマンでシュート練習している。
「タケル気合入ってんな。」
「ですね。なんでですかね?」
「さっきのミーティング聞いてなかっただろ〜」
陸先輩は私のほっぺをグリグリしてきた。
「次の大会、あいつスタメンだよ。」
「ふーん……え!?」
「一年からは、タケルとレンだけ選ばれてる。」
それって、とてもすごいこと。
私達の通う高校はサッカーの強豪校。
三年生でもスタメンに選ばれないなんてザラにある。
なのに一年からスタメンって。
「大丈夫なのかな…?」
「大丈夫。あいつはサッカーセンスあるからね。」
サッカーセンス云々というよりは……
タケルは、プレッシャーにめっぽう弱い。
足が速いから、小学校のときから運動会はリレーに選ばれてたけど、当日の朝は必ずおなか痛くなっちゃうし
中学の卒業式では答辞を任されていたのに、前日から高熱を出していた。
心配だ、これは心配だ。
……でも、私があれこれ心配しなくても
タケルには茜先輩がいてくれるから大丈夫だね。
しかしさっきのユリ先輩の言ってたことが気になる。
「ほんと百面相。見てて飽きない。」
陸先輩はそう言って笑う
"一番ひどいのは陸"
"茜の気持ち知ってて"
"陸のこと何も知らないんでしょう?"
"菜月ちゃんと陸の恋は人の不幸の上に成り立ってる。"
ユリ先輩の言葉が、私を重い鎖で縛り付けている。