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恋花火
第20章 眠れNIGHT
タケルは、こんなのしかねーけどって、クタクタのタオルを手渡してきた。
「……なにこれ。」
「部活で使ってるタオルだけど。」
「なんでこんな擦り切れたやつ…」
「バカおまえ知らねーの?タオルはこなれてなきゃ吸い取りわりーんだぞ!?」
……まぁいいけど。
とりあえず応急処置でそのタオルで涙と鼻水を拭くと、なるほど吸い取りは抜群にいい。
「まぁまぁこれでも飲んで」
タケルはペットボトルを差し出してきた。
「……なにこれ」
「昨日の飲み残しのお茶。」
「なっ!きったない!やだ!」
「たかが昨日だぞ。贅沢言うな。」
「知ってる!?ペットボトルって直飲みしたらすぐに細菌が繁殖して…」
「うっせー。じゃあ飲むな。」
タケルはそのお茶を一気に飲み干した。
そして、クイっと私のセーラーの裾を掴む。
「……なに?」
「聞いてやるよ。」
「は?」
「眠れない夜のワケを聞かせてもらおうか。あからさまに寝不足ですって顔してるし。」
「え、いい!いい!」
「俺のせいとか言ってたし。タケル君のせいならば責任持って聞いてあげましょう。」
「無理!」
「だからー、俺は知ってるから大丈夫だよ。」
タケルはニコって笑った。
いつもの意地悪な笑みじゃなくて、ニコってお日様みたいに。
「……なんでみんな知ってて私だけ知らないの?」
「え?」
「ユリ先輩も知ってるのに……なんで……」
たった昨日まで、なにも知らずに浮かれていた私は本当に滑稽だ。
そもそも初めからおかしいと思っていたのに。
なんで陸先輩みたいな素晴らしい人が私なんか?って。
もしかしたら茜先輩と陸先輩は元々両思いで、でもなんかのキッカケでうまくいかなくなって……
それで茜先輩がヤケクソになってタケルと付き合って、更にヤケクソになった陸先輩が……
「陸先輩、茜先輩と付き合った方がいいんじゃないかな……」
言葉に出したら急にリアルになって、また苦しくなった。
「……なにこれ。」
「部活で使ってるタオルだけど。」
「なんでこんな擦り切れたやつ…」
「バカおまえ知らねーの?タオルはこなれてなきゃ吸い取りわりーんだぞ!?」
……まぁいいけど。
とりあえず応急処置でそのタオルで涙と鼻水を拭くと、なるほど吸い取りは抜群にいい。
「まぁまぁこれでも飲んで」
タケルはペットボトルを差し出してきた。
「……なにこれ」
「昨日の飲み残しのお茶。」
「なっ!きったない!やだ!」
「たかが昨日だぞ。贅沢言うな。」
「知ってる!?ペットボトルって直飲みしたらすぐに細菌が繁殖して…」
「うっせー。じゃあ飲むな。」
タケルはそのお茶を一気に飲み干した。
そして、クイっと私のセーラーの裾を掴む。
「……なに?」
「聞いてやるよ。」
「は?」
「眠れない夜のワケを聞かせてもらおうか。あからさまに寝不足ですって顔してるし。」
「え、いい!いい!」
「俺のせいとか言ってたし。タケル君のせいならば責任持って聞いてあげましょう。」
「無理!」
「だからー、俺は知ってるから大丈夫だよ。」
タケルはニコって笑った。
いつもの意地悪な笑みじゃなくて、ニコってお日様みたいに。
「……なんでみんな知ってて私だけ知らないの?」
「え?」
「ユリ先輩も知ってるのに……なんで……」
たった昨日まで、なにも知らずに浮かれていた私は本当に滑稽だ。
そもそも初めからおかしいと思っていたのに。
なんで陸先輩みたいな素晴らしい人が私なんか?って。
もしかしたら茜先輩と陸先輩は元々両思いで、でもなんかのキッカケでうまくいかなくなって……
それで茜先輩がヤケクソになってタケルと付き合って、更にヤケクソになった陸先輩が……
「陸先輩、茜先輩と付き合った方がいいんじゃないかな……」
言葉に出したら急にリアルになって、また苦しくなった。