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恋花火
第27章 tears rain
タケルに酷いことを言った。


本音なのかそうじゃないのか


自分でももう、わからない。


なんとか朝のホームルームには間に合ったが、ちょっとでも気を緩めると涙が出てしまいそうだった。


この涙はどんな意味を持つものなのか。


私は今まで、自分自身で選択してきた。


タケルと茜先輩が電話していたときも


キスしていたときも


向き合う機会はいくらでもあったのに


それをしなかったのは、自分自身。


「…松下さん、あの…先輩が呼んでるよ?」


お昼休み、何も食べる気がしなくてぼんやりと俯いていたら、同級生に話しかけられた。


教室の入り口に、陸先輩が立っていた。



「違うんです…陸先輩。私全然泣いてないですから…」

「わかってるよ。」


陸先輩は優しい嘘をついた。


私の目からは、陸先輩を見たその瞬間から


涙が滝のように流れているのに。


もう、声は出なかった。


陸先輩、私本当はすごくズルい女なんだよ


ズルくて、身勝手で


タケルを平気で傷つけてしまうような


大嫌いだと簡単に口にしてしまうくらい


最低な奴なんだよ。


だからそんな私に


優しくなんかしないでいいよ。
















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