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恋花火
第27章 tears rain
教室じゃ人目がありまくるので、ちょっと場所を移動しようということになった。


教室を出るときに、栗林翔太と目が合った。


泣いてるとこ見られて、また嫌味言われるんだろうな…。栗林翔太が以前言っていたように、私なんか陸先輩とは到底釣り合わない。


そして、ついたのは図書館。……の奥にある、書庫室。


陸先輩は図書委員らしい。


なので鍵を拝借してきました、と、鍵を見せてくれた。


「ここ、初めて入りました。こんな場所あったんですね。」

「俺も委員になってから初めて知ったよ。結構レアな物保管されてるんだよ。」


そこには、普段貸し出しされていない書物や、歴代の卒業アルバム、様々なトロフィーなんかが並べられていた。


「…あ、サッカー部のトロフィーだ。」

「ほんとだ。すげぇ、10年分。」


私たちの通う高校は、サッカー強豪校。


まさに今控えている大きな大会では、10年連続地区予選、県予選を突破。全国大会常連校だ。


なので、キャプテンの背負うプレッシャーや責任は相当なはず。


なのに私ってば、いつも困らせて、風邪までひかせてしまって……。


「陸先輩…、ごめんなさい。」

「えっ」

そうだった、陸先輩は"ごめん"て言えばビックリするんだった。


「あ、ごめんなさい、あの、そうじゃなくて」

「何回ごめんするの 笑」

「本当ですよね、ご」

「ご?笑」

「間違えました。」


うはは〜って、いつもみたいに陸先輩が笑う。


そして、「ごめんするのは俺の方だから」って、言った。


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