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恋花火
第28章 激アツ微熱
保健室について熱を計測。


「38度9分……!?」


保健室の先生が驚いていた。


病院連れてかなきゃ、と先生があたふたしている。


「寝てれば治ります。」

「相原くん!あなたバカ言ってんじゃないよ!あと少しでサッカーの大会が…!」


先生はオロオロし、陸先輩はポ〜ッとしている……


「いい?15分だけ大人しく横になってて!今先生相原くんの家に連絡してそして車回して」


先生がバタバタと保健室を出て行った。


「大げさじゃね〜?」

「いや、本当に高熱ですから。横になってください!」

「だって寝ちゃったら菜月ちゃんいなくなるんでしょ」

「え……」


なんですか!?この可愛い生き物は!!


「いなくなりません。むしろ愛でたい…」

「愛でたい…?」

「いえ、心配なのでちゃんとそばにいますよ。」

「絶対だから。」


ふぉぉ


可愛すぎてほんとこっちがお熱だから!!


陸先輩は大人しくベッドに横になった。


かなりの高熱だから、少しの移動でも辛そう…。


私も文化祭のとき高熱出したからわかる。


呼吸も苦しいし、目もウルウルして熱いし、関節痛むんだよね。


おでこに手をのせると、冷たくて気持ちいいって言った。


「アイスノンないから代わりです。」


そのまますぐに陸先輩は眠ったのか、スースーとした呼吸になった。


……可愛い寝顔。


仲良くなってから知ったけど、言葉遣いが随所随所で可愛いし、なんといっても笑顔。キラースマイル。


なのにサッカーしてる時はめちゃくちゃかっこいいし、SEXのときなんかもう…


あ〜本当に私もお熱出そう。


そんな私をよそに、陸先輩はスヤスヤ眠ってる。


「…陸先輩のアホ。」


散々振り回してくれちゃって。


今回の一件をよく思い返すと、私が一番気にしていたのはタケルの気持ちでもないし、茜先輩の気持ちでもなかった。


陸先輩の気持ちだった。


"本当に好きな人のところに行ってもいいよ"


そう言われたことがショックだったんだ。


そんなに簡単に手放せる気持ちだったのかと


悲しかったんだ……。
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