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恋花火
第29章 雨上がりのレインボー
「私のせいで、いっぱい嫌な思いさせてごめんね。」


そんな事ない


そんな事ないよ……


私はそれまで抱えていた心の葛藤や、変なモヤモヤが


いつのまにか消えている事に気が付いた。


茜先輩のせいじゃないし


増して陸先輩のせいでもなく


「……強いて言うならタケルのせいかな?」

「え!なんで!まさかの俺のせい!?」

「タケルが早く教えてくれてたら……」

「いや、言えねーから!!」


タケルを責めていたら、「私が悪いの」って茜先輩。


「いやいや、ここは俺が……」


そう名乗り出た陸先輩に、どうぞどうぞと罪をなすりつけた。


そしてみんなで爆笑。


こんな風に笑うのは、本当に久しぶりの事。


「私、まだ茜先輩の気持ちにお返事してませんでした。遅くなってごめんなさい。」


そう言うと茜先輩は、真面目だって笑った。


「さっきの言葉で充分だよ。建前だったとしても、大好きって言ってくれて嬉しかった。」

「茜先輩。こいつは建前なんか言えるほど器用じゃないっすよ。」


そんなタケルの言葉に、茜先輩は何も答えなかった。


だけど下を向いたその瞳からは


ポタッと雫が落ちた。…ような気がした。


「タケル君、試合終わったら打ち上げしよー」

「え、二人きりっすか。」

「失恋パーティしよ。」

「…いいっすね。」


二人はニヤッと笑い、親指を立てていた。








「……茜って、中学の時イジメられてたんだ。」


その日の帰りは、陸先輩とタケルと三人で帰った。


陸先輩と茜先輩は、中学からの知り合いらしい。


高校では同じ思いはしたくないから、絶対隠し通すと決めたらしい。


なので地元から遠いこの高校を選んだ。


「茜先輩言ってましたよ。陸先輩だけは普通に接してくれてたって…。」


タケルは茜先輩のことをすごくよく知っていた。


「初めは俺にも隠し通す予定だったらしいけど、菜月のこと、すげぇ好きになっちゃって、気持ち隠すの限界だったんだって…」


タケルは初めから全て知っていて


茜先輩の秘密を守りながら過ごすのは


どんなに大変だっただろう。







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