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恋花火
第34章 真冬の蜃気楼
私はタケルと二川原さんの姿を目撃して
何も言えずただ立ち尽くした。
そんな私に、タケルはめんどくさそうに呟いた。
「……なんか用事?」
「……用事とかでは……」
するとタケルは、冷たく言い放った。
「……用がないなら、もうこうして来るのやめろよ。」
私たちは、ずっと、仲のいい幼なじみだった。
宿題をやるのも、ラジオ体操に行くのも
ご飯を食べるのも、登下校も
全て、二人で一緒だった。
用事?そんなものなくたってずっと一緒だったんだ。
例え喧嘩をしたとしても
ごめんがなくても仲直りしていた私たち
……もし、今
ごめんねをしたとしても
私たちはもう
元には戻れないだろう。
______その日の夜はまた、眠れなかった。
目に焼きついたあの光景が
浮かびは消えて
消えては浮かぶ
たぶん……いや、きっと
二人は恋人になったんだと思う。
二川原さんは初めからタケルに好意的だったし、毎試合熱心に応援にも駆けつけていた。
……それにタケルだって
やっぱり私以外とSEX出来るんだ。
私以外としないだなんて、そんなはずなかった。
明日からは、恋人になったタケルと二川原さんのことをきっと目にするだろう。
「はぁ〜今日も二川原さん可愛いなぁ。」
翌日、お昼休み。
栗林翔太がまた、悩ましいため息をつきながら
まるで恋する乙女のように、うっとりとした表情で現れた。
「……は?」
「わ!冷たっ!ちょっとくらい愛嬌よくできねぇの?二川原さんの半分以下だな、松下は。」
「……だよね……」
「素直すぎて不気味……」
その日はぼんやりとしたまま時が過ぎていった。
学校でたくさんの人が目にすると思っていたタケルと二川原さんのツーショットは
まだ栗林翔太の視界にも
それどころか美波やレンの目にも
まだ入っていないらしい。
何も言えずただ立ち尽くした。
そんな私に、タケルはめんどくさそうに呟いた。
「……なんか用事?」
「……用事とかでは……」
するとタケルは、冷たく言い放った。
「……用がないなら、もうこうして来るのやめろよ。」
私たちは、ずっと、仲のいい幼なじみだった。
宿題をやるのも、ラジオ体操に行くのも
ご飯を食べるのも、登下校も
全て、二人で一緒だった。
用事?そんなものなくたってずっと一緒だったんだ。
例え喧嘩をしたとしても
ごめんがなくても仲直りしていた私たち
……もし、今
ごめんねをしたとしても
私たちはもう
元には戻れないだろう。
______その日の夜はまた、眠れなかった。
目に焼きついたあの光景が
浮かびは消えて
消えては浮かぶ
たぶん……いや、きっと
二人は恋人になったんだと思う。
二川原さんは初めからタケルに好意的だったし、毎試合熱心に応援にも駆けつけていた。
……それにタケルだって
やっぱり私以外とSEX出来るんだ。
私以外としないだなんて、そんなはずなかった。
明日からは、恋人になったタケルと二川原さんのことをきっと目にするだろう。
「はぁ〜今日も二川原さん可愛いなぁ。」
翌日、お昼休み。
栗林翔太がまた、悩ましいため息をつきながら
まるで恋する乙女のように、うっとりとした表情で現れた。
「……は?」
「わ!冷たっ!ちょっとくらい愛嬌よくできねぇの?二川原さんの半分以下だな、松下は。」
「……だよね……」
「素直すぎて不気味……」
その日はぼんやりとしたまま時が過ぎていった。
学校でたくさんの人が目にすると思っていたタケルと二川原さんのツーショットは
まだ栗林翔太の視界にも
それどころか美波やレンの目にも
まだ入っていないらしい。