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恋花火
第37章 トラブルメーカー
ここ最近胸の奥に貯めていたものを放出するかのように私は話した。


話していくうちに、混乱していっぱいいっぱいだった頭の中も整理されてゆく。


話し終わると、ハーッとため息が漏れた。


「…なんかそれ、最低だね。」


美波がそう言ってくれて、少しスッキリした。


「でも、菜月が悩む必要なくない?」

「なぜ!?」

「言うならあんたは第三者というか、部外者じゃん。」

「…まぁそうだけど。」

「変に首突っ込まないほうが身のためだよー」

「突っ込んでないもん。」


今朝首突っ込みかけたけどセーフ。


勢いにのって二川原さんに話しなくて良かった……


「タケルだって男だもん。二川原さんみたいなかわい子ちゃんに言い寄られたら断れないよね。」


……タケルは私以外とSEXをした。


あの光景が頭にこびりついて離れない。


産まれてからずっとタケルは男だった。


けれどずっと一緒にいたから


あまりに近すぎたから


タケルが男だということに気付いたのは、初めて身体を重ねたあの日から。



目つきは悪いものの、目が大きかったタケルは幼少期はとても可愛らしい雰囲気で。


腕も脚も細っこくて、背も小さい方だったのに


気付けば後ろから数えた方が早いくらいに背が伸びていて


私を抱くその腕も


筋張った男の腕になっていた。


いつのまに私たちは男と女になってしまったのか。


あの光景を見たときから


____二川原さんがタケルの部屋にいるのを見たあの時から


その思いは更に加速したように思えた。
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