この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋花火
第39章 BAD BOY×××
それから二週間後
タケルが無事に退院したことを、人伝いに聞いた。
「なっちゃん!」
学校帰り、家の近くでタケルのお母さんに話しかけられた。
別にタケルのお母さんにはなんの罪もないんだけど、上手く笑顔が作れない。
「最近なっちゃん全然遊びに来てくれないのねぇ。」
「そうですねぇ……」
「あ、でも。なっちゃんのおじいちゃんから聞いたわよー?彼氏いるんですって?」
おじいちゃん…おしゃべり。
だったらしょうがないねと、タケルのお母さんは呟いた。
「あの……タケル、どうしてますか?」
あれから私は、タケルに一度も会っていない。
会いたくない会いたくないと念じていたせいか、近所で偶然遭遇するということもなかった。
「毎日リハビリに通ってるよ。」
「そっかぁ…」
「明日からは学校にも行くみたい。」
げげ……
明日からは嫌でも顔を合わすことになりそう……。
気分が重くなったところで
「あ、噂をすれば。」
お母さんの声に顔をあげると、今一番会いたくないナンバーワンのタケルが帰宅。
「こ、こんばんは……」
一応声をかけた。するとタケルは何も答えず通り過ぎた。
はぁ?
こっちが無視したいくらいなのに、タケルのお母さんの手前声かけたのに!タケルが無視するってどういうことよ!
「なんっなのあの態度!」
はっ!
タケルのお母さんがいるのに思わず出てしまったセリフ。
やらかしたーと思っていたら、タケルのお母さんは楽しそうに笑った。
「いいわー。やっぱりタケルになんでも言えるのはなっちゃんだけね。」
「え……、全然ですよ。」
「私はね…、もうダメ。タケルの信頼も全て失っちゃったから……。」
そこで思い出したのは、おじいちゃんから聞いた"タケルのお母さんの恋人"の話だった。
「タケルね、出て行くと思う。」
「へ…?」
「この家を出て行くって聞かないの。…そう言わせてしまったのは、母親である私のせいなんだけどね。どう取り繕っても、失った信用はもう、戻ってこない。」
目の前が真っ白になった。
今すぐ、タケルに直接話を聞きたい。
だけど
"もう他人"
私たちはもう……
「……寂しくなるね。」
私の言葉に、タケルのお母さんは悲しそうに相槌を打った。
タケルが無事に退院したことを、人伝いに聞いた。
「なっちゃん!」
学校帰り、家の近くでタケルのお母さんに話しかけられた。
別にタケルのお母さんにはなんの罪もないんだけど、上手く笑顔が作れない。
「最近なっちゃん全然遊びに来てくれないのねぇ。」
「そうですねぇ……」
「あ、でも。なっちゃんのおじいちゃんから聞いたわよー?彼氏いるんですって?」
おじいちゃん…おしゃべり。
だったらしょうがないねと、タケルのお母さんは呟いた。
「あの……タケル、どうしてますか?」
あれから私は、タケルに一度も会っていない。
会いたくない会いたくないと念じていたせいか、近所で偶然遭遇するということもなかった。
「毎日リハビリに通ってるよ。」
「そっかぁ…」
「明日からは学校にも行くみたい。」
げげ……
明日からは嫌でも顔を合わすことになりそう……。
気分が重くなったところで
「あ、噂をすれば。」
お母さんの声に顔をあげると、今一番会いたくないナンバーワンのタケルが帰宅。
「こ、こんばんは……」
一応声をかけた。するとタケルは何も答えず通り過ぎた。
はぁ?
こっちが無視したいくらいなのに、タケルのお母さんの手前声かけたのに!タケルが無視するってどういうことよ!
「なんっなのあの態度!」
はっ!
タケルのお母さんがいるのに思わず出てしまったセリフ。
やらかしたーと思っていたら、タケルのお母さんは楽しそうに笑った。
「いいわー。やっぱりタケルになんでも言えるのはなっちゃんだけね。」
「え……、全然ですよ。」
「私はね…、もうダメ。タケルの信頼も全て失っちゃったから……。」
そこで思い出したのは、おじいちゃんから聞いた"タケルのお母さんの恋人"の話だった。
「タケルね、出て行くと思う。」
「へ…?」
「この家を出て行くって聞かないの。…そう言わせてしまったのは、母親である私のせいなんだけどね。どう取り繕っても、失った信用はもう、戻ってこない。」
目の前が真っ白になった。
今すぐ、タケルに直接話を聞きたい。
だけど
"もう他人"
私たちはもう……
「……寂しくなるね。」
私の言葉に、タケルのお母さんは悲しそうに相槌を打った。