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恋花火
第39章 BAD BOY×××
陸先輩の唇は安心する。


唇は冷たいのに、熱さが伝わってくる。


優しい眼差しの奥に秘めた激しさに、私はいつも飲み込まれる。


何度も交わされる口づけ。


ゆっくりと身に纏っているものを剥がされ


その度にひとつ、またひとつ、心まで丸裸にされてゆく。


産まれたままの姿になった。


たくさんのキスの雨


……なのに今日も、濡れない。


理由はわかっている。


最近は雑念が多いから……、集中出来ていないんだ。


「あっ……!」


濡れない私に、陸先輩は強引に指を入れたりなんかしない。


柔らかで温かい舌を、私の割れ目に沿わせてきた。


その優しい温度に、私はようやく安心して、中から蜜が溢れてきた。


舌で一度イカされて、息が乱れた。


「……陸先輩?」

「今日はここまでにしよう。」

「えっ、なんでですか?」

「無断外泊はやめとこ。おじいちゃん心配するよ?」


ね?と、陸先輩は問いかけてくる。


「やだ!」


私は子どものように駄々をこねる。


今、一人になってしまったら


陸先輩と繋がらなければ


私は不安にとらわれてしまう。


「……2月に、花火大会あるの知ってる?」

「知ってます…」


いきなり切り出された花火大会。


その花火大会は、私の家の近くの海岸で催される冬の花火大会だ。


「良かったら、一緒に行こう。お泊まりはその時にしよ?」

「……待てないです。」

「あと二ヶ月だよ。あっという間にくるよ。」


陸先輩の微笑みで説かれると、ノーと言えない……


「……わかりました。」

「よし。」


了解した私の頭を、陸先輩はぐしゃぐしゃと撫でた。


その手つきは、まるでタケルのようだった。

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