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恋花火
第40章 トモダチ。
栗林翔太の言葉に、二川原さんは笑った。


「翔太君にはガッカリ。」

「……なにがだよ。」

「見る目あるんだかないんだか……」


すると二川原さんは私の事を見ながら、言った。


「…あんたが今庇ったその女も、私と変わらないからね?」

「どういう意味。」

「タケル君と相原先輩、どっちも好きなんだよ。最悪だと思わない?まー友達ごっこ楽しめば?」


二川原さんはそう言って、食堂から立ち去った。







「……片付けないとね。」


美波が、散らばったお弁当を拾い始めた。


その姿を見てたら


なんだか、目頭が熱くなった。


「俺、気付くなんてなかなかすごくない?褒めて〜 」


栗林翔太が、こっちを見てニヤッと笑っていた。





三人でお片づけして、残飯となったお弁当をゴミ箱に捨てようとした、その時。


「……それ、捨てんの?」


後ろから話しかけてきたのは、他人だった。


「……他人には関係ないです。」

「そ?」


その他人は笑いながら、埃にまみれた唐揚げをひとつ手に取り、口に入れた。


「うんめ〜」

「……なにしてんの!?おなか壊すよ!?」

「……やっぱ好きだ。」

「埃まみれの唐揚げが?」

「どうしても……好きみたいだ。」


他人の言っていることの意味が、まるでわからない。


いきなりキスしたり、いきなり他人になったり


唐揚げ食べてみたり


振り回すのももういい加減にしてよ





「……菜月に嫌われたかった。」

「は?」

「嫌われて、他人になりたかったんだよね。」

「なにそれ……意味わかんない。」

「わかんなくていいよ。とりあえず俺は、埃ついてても唐揚げが好きってことで。じゃーな、ブス。」


そう言って、埃まみれの唐揚げをもうひとつつまんで


他人は立ち去っていった。


……最後の一言、余計じゃないですか?
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