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恋花火
第40章 トモダチ。
「……最低だね。」


このヤリマン


そう耳元で囁かれ


広げていたお弁当を床に落とされた。


私は床に転がった唐揚げを見て


これが現実なのか、どうなのか


なんだかわからなくなった。


「まずそーな弁当。」


二川原さんは、そう言って笑った。


泣いたらダメだ。


ここで泣いたら情けない。


……最低なのは、言われなくてもわかっている。


タケルの事を何度も傷つけたし


それに、陸先輩のことだって___






「……最低なのはおまえだろ。」


背中から声がして、振り返るとそこに立っていたのは、栗林翔太だった。


「翔太君。」

「……二股、気付いてないとでも思ってた?」


二川原さんの顔色が変わった。


まさか、栗林翔太が気付いていたなんて。


それにも驚いた。


「まさかタケル君に……」

「言ったよ。…決勝戦の朝にね。俺たちこれからどうする?って。」


栗林翔太は淡々と語って行く。


二川原さんの表情は、みるみるうちに強ばっていった。


「……二股かけられてるって知っても、俺は二川原さんと別れるつもりなんかなかった。いつか自分だけを見てくれるって信じたくて……。だけどたった今、松下にとった行動見て決めたよ。」


別れてほしい__


栗林翔太は、ハッキリと言った。
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