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恋花火
第44章 ハジメマシテのご挨拶
そして、全国大会へ向け、再び始まった鬼練。


ヘトヘトになりながらも、みんな必死にメニューをこなしていった。


「タケル君〜テーピングやり直そっか。」


今では邪な気持ちも消えたであろうユリ先輩。


タケルと一緒にいるところを見ても、なんとも思わなくなった。


だけど、心がざわつく瞬間がある。


それはタケルがみんなの輪から外れ、グラウンド脇の水飲み場にこしかけ、一人空を見上げる時___。





「タケル君なに見てるの?」


茜先輩がそう問いかけると、タケルは少しだけ間をおいてこう答えたという。


「ここの場所から見る空を目に焼き付けたい。」


……東京行ったら、もうこの空は見れないから、だから。


もうここへは帰ってこないつもりなんだね……。













「お兄ちゃん!」


鬼練の真っ最中、グラウンドのフェンス越しに聞こえた声。


「ねーぇってばー!陸ちゃーん!!」


陸ちゃん!?


見ると、陸先輩が俊足で声の主の元へ飛んでった。


そう、声の主は陸先輩の妹の華ちゃん。


「どーやってここまで!?」


陸先輩にそう聞かれると、満面の笑顔になった華ちゃんは「あっち」と指差した。


指を指した方向に目をやると、そこには皺一つないスーツを身に纏った男性が立っていた。









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