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恋花火
第44章 ハジメマシテのご挨拶
練習に集中しなきゃと思いつつ、口封じのキスを思い出しふと気付くと手が止まってしまう。


そんな私に罰が当たった。


練習終了間際、顔面にサッカーボールが直撃。


目の前に星が飛び散るといった表現があるけれど、まさにその通りだった。


おじいちゃんにも反射神経が悪いと言われていたけど、それも当たっている。


手当は部室で陸先輩がしてくれた。


練習がちょうど終わる頃だったので、部員は帰り私たち二人だけ。こんな時なのに、二人きりになれて、ちょっと嬉しい……こういう事考えてるから怪我なんてしちゃうんだけど。


幸いにも鼻の頭がちょっと擦りむけただけだった。


「あれ?ここも?」


陸先輩が、私の手のひらの傷を見つけそう言った。


「いや、それはタケルが……」


あ。


思わず出してしまったタケルの名前。


「……タケル?」

「えっと……」


ただ、海に行って転んだだけなんだけど


思わずタケルを抱きしめてしまった事を思い出し、なんとなくやましい気持ちになり口を閉ざしてしまった。


「タケルがつけた傷?」


その問いかけに私は答える事が出来ず、俯いたまま。


すると陸先輩は、手のひらの傷にキスをしてきた。


「陸先輩…?」


今日の陸先輩は、いつもとちょっと違う。


それは従兄弟のお兄さんに会ったせい?それとも……


「……!」


前置きも何もなく、突然重ねられた唇。


それは呼吸もままならないほどに激しいものだった。


「……やばい。」

「え…?」

「前はコントロール出来てたはずなのにな……」


恋って病気みたいだと、耳元で囁かれる。


吐息混じりの言葉に、身体が反応してしまう。


「あっ……」


最近ではあまり濡れなかった私のあそこも、今日は蜜で潤っているらしい。ぬるりと指が飲み込まれた。


陸先輩の指は巧みに動き回り、出し入れされる度に太ももまで伝う蜜。


「…ごめんね、菜月ちゃん。」


陸先輩は私のショーツを脱がせ、一気に中に入ってきた。


今にも泣き出しそうなほどに潤んだ瞳と、余裕のない表情。


こんな時でもちゃんと避妊はしてくれる陸先輩に、私の蜜は更に溢れた。

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