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恋花火
第45章 brothers
「……驚いた?」


従兄弟さんが、私の顔を覗き込み問いかけた。


確かに驚いたけど、兄弟と聞き妙に納得がいく。


表情や仕草が、とてもよく似ているから。


「まぁ俺は父の愛人の子なんだけどね。」


おちゃらけてそう言う従兄弟さんのことを、陸先輩は鋭く睨んだ。


「……やめろよ、その言い方。」

「事実じゃん。」

「父さんはどっちも本命だったんだよ。」


ここで私は、どうして陸先輩が私のことを理解してくれるのかわかった気がした。


二人の女性を愛した人が、身近にいたからなんだ____と。


そんな陸先輩の言葉に、従兄弟さんは馬鹿にするように笑った。


「どっちも本命って。どっちにも本気じゃなかったって気もするけどね。」


その時、従兄弟さんは私を見て笑った___ような気がした。


……きっと従兄弟さんは思っている。


私とそのお父さんは同じなのだ、と。


「……真実なんかどうだっていいよ。俺は今までもこれからも、勝手に好きでいるし。おまえは嫌かもしんないけど。」


陸先輩は従兄弟さんにそう言った。


従兄弟さんはそれに対し、何も言わずに微笑んだ。










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