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恋花火
第50章 私の宝物
このままじゃ大石は留年する。


タケルの担任がそう言っていると、美波が言ってきたのは2月初日。


「先生、そこをなんとか!」


レンとサッカー部のみんなが職員室に総出でお願いしに行ったと、それも美波から聞いた。


「タケル愛されてんね。」


美波はニコニコ笑ってそう言っていたけど、愛されキャラのタケルって想像出来ない。


昔から友達は多かったけど、いざってときは決まって単独行動をとるのがタケルのスタイルだとずっと思ってた。


「いや、それ違うから。」

「えっ」


速攻でレンからの否定が入る。


なによ


私よりもタケルのこと知ってんの!?とかって嫉妬してみたり…


最近の私は相変わらず百面相。


「おまえのせいじゃん。」

「なにそれどういうこと。」


レンはハーッとため息をついた。


「……菜月といたいからだと思うけど。」


なにそれ


なにそれなにそれ!?


「これ以上言うとあいつに殺されそうだから言わない。」


すごい気になる所で隠すって何!


「なんなのあんたの彼氏!」

「あー!人の彼氏の悪口言わないでくれますぅ?」

「美波だって今まで散々タケルの悪口言ってたじゃん!」

「私はいいのよ〜」


おほほとふざけて笑う美波。


口ではなんだかんだ言ってるけど


レンと美波には本当に感謝してるよ。


私が寂しくしてるかと心配してくれているのか


家にこもりがちな私を連れ出してくれる


二人といる時間は、笑うことが出来た。


……だけど、部屋に入った瞬間


目に入る全ての物がタケルを思い出させてくれて


泣けてくる。


ポリ袋に入れられていたタケルの制服。


クリーニングに出そうと思っていたら、制服のポケットからミサンガが落ちた。


……それは私が、小学校の頃に作ったもの。


物持ち良すぎ。とっくに切れてしまっているそれは、そっとポケットに身を忍ばせていた。


一緒に入れられていた小中の卒業アルバム。


その中には、私と撮ったたくさんの写真とプリクラが貼ってある手帳が挟まれてあった。


……わざわざ現像したり、手帳にプリクラ貼ってたの?


笑える。そういうの苦手じゃん。


なのに……






会いたいよ


どこにいるの


なんでここにいないの


……会いたい
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