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恋花火
第51章 友情と愛情

「おーい」
バレンタイン目前
全国大会も終わり束の間の休息期間に現れたのは私の天敵。
「無視すんなよ」
通り過ぎようとしたら、冷え切った手を首に当てられた。
「ぎゃー!冷たい!」
堪らずに反応すると、そこにはズルい顔をした郁さんが立っていた。
「無視とか最低じゃね?」
「……別に無視とかじゃないです。気付かないふりしただけです。」
「それを無視っていうんだよバーカ」
ムカつく……この人本当に陸先輩と血が繋がってんの!?そう思うくらい言葉遣いも悪ければ態度も悪い。
「嫌いなら話かけないでください。」
バッサリ切り捨てて歩き出すと、「……あの時は悪かったよ。」背中に、そんな声をかけられた。
「そんな謝られても……言われた方はそう簡単には……」
振り返ると、そこにはどこか物悲しそうな
いつもの意地悪な彼とはちょっと違う
陸先輩によく似た雰囲気の郁さんがいた。
「……ま、まぁ思わず口走っちゃうこともありますよね。私もあるし……」
タケルには、特にここ数ヶ月で何度も口にした"大嫌い"
その度に、どれだけ嫌な思いをさせてしまったのだろう。
「……ぶっ」
ん?
「うはは〜っ」
「は?」
「隙あり」
その瞬間、背中に入れられた雪。
「ちょっ!ありえない!冷たい!」
「うける〜」
「なんなの!バカじゃないの!?取ってよ!」
「取ってあげてもいいけど〜、いいの〜?」
郁さんは手をくねくねさせ、いやらしい動きを見せてくる。
「いや、遠慮しときます!」
「遠慮すんなよ」
「やめてやめてぎゃー!」
背中には更に冷たい雪が……
ずっと笑い続けている郁さん。
……なんだ、そんな顔もするのか。
しかも笑い方、陸先輩とおんなじ。
「……ほんと、ごめんな?」
顔も似てる。声も似てる。
やっぱり二人は兄弟なんだと、改めて思った。
バレンタイン目前
全国大会も終わり束の間の休息期間に現れたのは私の天敵。
「無視すんなよ」
通り過ぎようとしたら、冷え切った手を首に当てられた。
「ぎゃー!冷たい!」
堪らずに反応すると、そこにはズルい顔をした郁さんが立っていた。
「無視とか最低じゃね?」
「……別に無視とかじゃないです。気付かないふりしただけです。」
「それを無視っていうんだよバーカ」
ムカつく……この人本当に陸先輩と血が繋がってんの!?そう思うくらい言葉遣いも悪ければ態度も悪い。
「嫌いなら話かけないでください。」
バッサリ切り捨てて歩き出すと、「……あの時は悪かったよ。」背中に、そんな声をかけられた。
「そんな謝られても……言われた方はそう簡単には……」
振り返ると、そこにはどこか物悲しそうな
いつもの意地悪な彼とはちょっと違う
陸先輩によく似た雰囲気の郁さんがいた。
「……ま、まぁ思わず口走っちゃうこともありますよね。私もあるし……」
タケルには、特にここ数ヶ月で何度も口にした"大嫌い"
その度に、どれだけ嫌な思いをさせてしまったのだろう。
「……ぶっ」
ん?
「うはは〜っ」
「は?」
「隙あり」
その瞬間、背中に入れられた雪。
「ちょっ!ありえない!冷たい!」
「うける〜」
「なんなの!バカじゃないの!?取ってよ!」
「取ってあげてもいいけど〜、いいの〜?」
郁さんは手をくねくねさせ、いやらしい動きを見せてくる。
「いや、遠慮しときます!」
「遠慮すんなよ」
「やめてやめてぎゃー!」
背中には更に冷たい雪が……
ずっと笑い続けている郁さん。
……なんだ、そんな顔もするのか。
しかも笑い方、陸先輩とおんなじ。
「……ほんと、ごめんな?」
顔も似てる。声も似てる。
やっぱり二人は兄弟なんだと、改めて思った。

