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恋花火
第53章 Destiny
タケルとの生活も1ヶ月を迎えようとしていた頃


おじいちゃんの退院が決まった。


まだ通院やリハビリはあるけれど、すごい回復力だと医師たちも驚いていた。


今まで夜は別々に寝ていたけど、二人で過ごすのは最後だと思ったから


今日は二人で寝ることにした。


おじいちゃんが帰ってきたら


タケルは出て行っちゃうのかな……


最近はずっと一緒にいたから


離れるなんてもう考えられない。


そんなの嫌だ。



「……ねぇ、タケル。お願いがあるの。」

「なに?」

「ギューって、して?」


別々に寝ているとはいえ、毎日寝る前には必ずハグをして


そしてキスをした。


だけど今日はそれだけじゃ足りない


もっともっと


近くに。





「……菜月?」


私からのキス。


それも、濃厚なやつ。


「……エッチしたい。」


大胆にも私から誘っちゃう。


今日くらい、いいでしょ?


おじいちゃんも元気になったし


もしかしたら明日からはまた離れ離れだし


……いいよね?


タケルは迷っていたけど


きっと同じことを考えている。


少し間を置いたあと


タケルは私に、甘くて熱い、キスをした。
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