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恋花火
第8章 恋のイロハ
タケルが女の子と色々しちゃってるのなんか、今に始まった事じゃないのに


この胸の苦しさはなんなの


喉の奥がギュッと締まるように息苦しくて


鼓動が早くなる。


タケルはこちらに背を向けているので表情は見えないけど


茜先輩の腕は、しっかりとタケルの首に回されていた。



…こんなとこでそんな事しないでよね…。


私はそ〜っとその場を離れようと…


パキッ


ひゃあーーー!!


小枝を踏んでしまった…!


「…菜月?」


速攻でタケルに見つかるという…


「見てません!なんにも…」


もうバッチリ見たけどね…


「じゃっお邪魔虫はこれで…」


立ち去ろうとしたところで、「待って!」茜先輩に引き止められる。



「なんでしょうか…?」


いち早くこの場を立ち去りたいのに…


「菜月ちゃんのおうちに遊びに行ってみたい!…ダメかな?」


「えぇ!?」


私の家!?タケルの家ではなく!?


「じゃー俺も行く」


なんで!?


なんでカップルを私の家に招かねばならぬのか…


だけど、断る理由が思いつかずに結局二人を家に入れた。


「わぁ、菜月ちゃんのお部屋キレイ!」

「そうですかー?えへへ」

「物が少ないだけじゃん。」

「カーテンも全部可愛い。センスいいね。」

「照れちゃいます〜」

「安売りしてたからそれにしただけっしょ。」


…と、こんな感じでタケルは私を下げまくるという…


タケルはいつものとおりにベッドを占領…


そして茜先輩はというと。


「せ、先輩?」

「ふふふー。菜月ちゃんのおうちスタイル、とっても可愛いね」


そういえば部屋着だった。


「すっぴんも思ったとおりに可愛い。お肌プルプルだね…」


茜先輩がジーっと私を見つめてくる。


ジーーー


「茜先輩こそ…お肌すごくキレイです…」

「ありがとぉ。…ねぇ、お肌触ってもいい?」

「え!?こんな私の肌でよければどうぞ…」


茜先輩は、もう唇触れちゃうんじゃ!?ってくらいに間近に顔を寄せ、そっと私の頬を撫でた。


フワッ


やっぱりいい匂いがします…
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