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恋花火
第13章 LOVE HOLIC
涙と鼻水で何も言えなくなっちゃった私の事を


陸先輩は急かす事もせずに、待っていてくれた。


「……陸先輩に優しくされたい女子、きっとごまんといますよ。」

「いねーよそんなに 笑」

「いやいやいや…」


よく思い返すと、高校入学したてで、タケルとサッカー部見学してたとき黄色い声飛び交ってたかもしんない…


その時タケルが確か言ってた。あの人かっけ〜サッカーうめ〜…そういえばラーメン食いたくね?。って言ってた、確かに。


…こんな時に、そんなどうでもいい情報が思い出されるこの私の頭どうなってるんだ。


思いを巡らせていると、陸先輩がブーって噴き出した。


「また!どうしたんですか!?陸先輩て結構変なタイミングで笑いますよね…」


それも、大爆笑。


箸が転がっただけでも笑うお年頃って言葉、陸先輩にピッタリだよ。


「…や、ごめん。でもほんとおかしー。」

「なにがですか?」

「百面相すぎる〜」


また私の顔見て笑ってる。


……もう。


でもやっぱり


笑った顔、すごく可愛い。


今度はドキドキしちゃってたら、陸先輩はまたそれすらも読み取っちゃいそうだから…私は負けじと必死に真顔を作る。


そうしたらその顔にもまた爆笑…


陸先輩の笑い転げる姿を見ていたら


いつのまにか、私も笑ってたみたい。


「…俺にも笑って。」

「え?」

「あいつに笑ってるみたいに、笑ってほしい。」

「あいつって誰?」

「決まってんだろ。俺の恋のライバルだ。」


それって誰?もしかしなくてもタケルの事?


聞こうとした唇を、陸先輩の唇が塞ぐ。


陸先輩の唇はいつもちょっと冷たい。


そして、絡んでくる舌は______。





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