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恋花火
第14章 My darling
「それで?付き合う事になったの?」

「……たぶん?」


今日あったことを、家に帰ってから、電話で美波に報告した。


今朝いきなりされたキス。


あーでもない、こーでもないと悩んでいた今日。


そして放課後には、まさか陸先輩からの告白……


「いいなぁ、陸先輩とかかなり羨ましい。」

「うん……」

「あんまり浮かれてないねー」

「うーん」

「不安なの?」


そう問いかけられると否定は出来ない。


だって私とタケルは、ずっとあやふやな関係だったから。


いくら身体で繋がろうとも、心は繋がらなかった私たち。


「……陸先輩は、タケルとは違うよ?」

「うん……」

「誰彼構わずそういう事する人には見えないけどね。」


あんたが信じなくてどうするの?と、美波は付け加えた。


「そう、陸先輩はそういう人じゃない気がする。だから余計に、どうして私なの?って悩むんだよ……。」


まだウダウダと悩む私に、痺れをきらしたらしい美波がちょっと強めの口調で言った。


「今だから言うけど」

「ん?」

「あたし、サッカー部に入部したての頃陸先輩に聞かれたことがあって。」

「なんて?」

「あんたと、タケルは恋人同士なのかって。」


ちっとも知らなかったエピソードに心臓が跳ねる。


「それで美波はなんて答えたの?」

「付き合ってるようなものです、って答えた。そしたら陸先輩は、だよねーって。幸せそうにいつもニコニコしてるもんなーって。寂しそうに、あんたのこと遠くから眺めてたよ。」


入部したてって、そんなに前から


私の事を、見ていてくれてたの?


"あいつに笑ってるみたいに、笑ってほしい"


陸先輩は、ずっと……?


ユリ先輩に絡まれていた時も


痴漢から助けてくれた時も


偶然だと言っていたけれど、本当は?


「……ヤバイ、美波」

「なにが?」

「私どんどん好きになっちゃってる……」


タケルを想う気持ちは嘘じゃない。だけど私の中に、新たな気持ちが芽生えて


それは日に日に大きくなる。


その気持ちを美波に伝えると、美波は笑ってこう言った。


「それは間違ってるようで間違ってないよ。」



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