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恋花火
第14章 My darling
そしてそのあとは、陸先輩のジャージに気付いたクラスメイト達による質疑応答が待ち構えていた。


もう私たちは、同じ部活の先輩後輩という関係だけじゃない。


"恋人"


という……甘い甘い関係だ。


真実を伝えると、クラスメイト達から返ってきたのは「おめでとう!」などという祝福の言葉ではなかった。


皆口を揃えては、「信じられない!」だとか、「嘘でしょ…」などという……驚きの声ばかり。


「ひどい みんな信じてくんない 泣」

「いやー、そりゃそうでしょ。なんでおまえみたいなバカ女が 笑」


中でも一番ひどい言葉を言ってきたのは、バスケ部の栗林翔太。


こいつはタケルと仲がいいらしいけど、ピカイチで口が悪いので私はあんまり好きじゃない。


「バカ女って!?」

「だってタケル君がよくそー言ってんじゃん」


タケル……そうね、確かにタケルは私のことバカ女って言う。


でもそれはタケルだからいいのであって


不特定多数に言われると私だって傷つきます。


だけどここで私が元気をなくしたら、クラスのムードが盛り下がってしまう……


ので、「……バカでも幸せになれるってこと、証明してみせます!」だなんて、思ってもないことを口走ってしまう。


「よっ!さすーが!バカ代表〜!」


栗林翔太……おまえいつか覚えておけよ


心の中で暴言を吐く、精一杯の抵抗。


陸先輩……こんなバカ、バカって言われる女が彼女でいいの?


「いいんだよ」

「えっ」


心の中で呟いた言葉にアンサーが返ってきたので驚いて振り向くと、そこには私を「バカ女」と命名した男が立っていた。







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