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恋花火
第15章 虹色の放課後
私はその時の茜先輩の顔が頭から離れず、その後もずっと上の空で過ごしてしまった。


もう試験勉強どころじゃない。


数学の公式や文法も苦手だけど、恋愛はもっと苦手だよ。







「やっぱさぁ、嫌なんじゃん?彼氏が他の女と仲良くしてるのなんかさ。」

「だよね……」


こんな時にはやっぱり美波にSOS。ほんと頼れる相方です。


「私……タケルと話すの控えようかな。」

「またそんな極端な。笑」

「だって。タケルと話すとおもしろくて、私たぶんいっぱい笑っちゃうしじゃれついちゃうし……」


長年の習慣というものはそう簡単に変えれるものではなくて。


「つっても、茜先輩に限らずじゃん。今までタケルに女いた時どうしてたの?」


今まで、こんな風に悩んだことはなかった。


というのも、タケルとお付き合いをしていた女の子はみんなすぐにバイバイしちゃってたから。それこそ、ヤッたら終わりぐらいの勢いで。


……けれど、茜先輩となると話は違う。


今までとは確実に違うのは、側で見て来ているだけにわかってしまうから。


だから、私のせいで二人がうまくいかないとか、そんなの嫌だよ。


「あんたは白か黒、グレーがないからねぇ。」

「そーなの。」

「まぁいんじゃない?お互い別のパートナーがいるんだし、そっちを大切にすればいいし。今までのあんた達が異質すぎ。」


私たちの関係を知っている美波に言われると、妙に納得してしまう。


そう、私には陸先輩がいるし、タケルには茜先輩がいる。


もう今までどおりには出来ないということ。


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