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第4章 新天地

しばらくすると、パラパラと社員が集まりだした。
全部で11人。
友香が以前いた店舗よりは少し人数が多い。

全員が入社して数年経っている。
けれどもベテランと言われるほどの年齢ではない。
友香と同年代か、少し若い社員ばかりだ。

以前までいた店舗は市の中心部ということもあり、マンションや駐車場管理などが大半だった。
そのため長年のコネを発揮できるベテラン層が多かった。
おかげで友香が支店長になる時に大きく揉めたわけだけれども。

ただ、今度は違う。
前の店舗からは車で一時間もかからない距離にあるにも関わらず、少し前までは空き地や田んぼばかりが目立った郊外の地域。
これから開拓していく、新興住宅地。

相手にするのは、一戸建てのお客様がほとんどになるはずだ。
そのため、客層に合わせて比較的に若くてやる気のある社員が選ばれた。
友香もその一人だということは自覚している。

今までの店とは、売り方も接客方法も、全てが変わるだろう。

まずは全員で挨拶をした。
女性社員は友香を除くと一人だけ。
事務担当の彼女は去年入社したばかりだ。
友香のその頃とは違い、身だしなみも言葉遣いも、申し分ない。

あとは全て営業マン。
やる気に溢れ、お互いに闘争心を剥き出しにしている。

負けられないな。
それが、新天地での感想だった。