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Complex
第4章 新天地
友香はコインパーキングに車を停めると、少し早足で目的地に向かう。
21時頃には向かう。
そう告げたはずなのに、オープン用の広告の修正に思ったよりも手間取ってしまった。
結局事務所を出られたのは21時。
急いで車を飛ばしたけれど、もう少しで22時を回ろうとしている。
「っしゃいませーっ」
少し重たい木戸を開けると、数人の威勢のいい声が響く。
その中には、綾瀬の声も混じっていた。
声の主を探すと、カウンターの奥から綾瀬が笑いかけている。
会釈をすると、綾瀬は自分の目の前にある席を指差した。
指定された席に座る。
カウンターは10席もないが、半分以上が埋まっている。
一番角の落ち着きそうなスペース。
友香のために綾瀬が取っておいてくれたのだろうか。
振り返ると、掘りごたつ形式のテーブルが4つ。
こちらもちょうど半分が埋まっていた。
「友香ちゃん、せっかくだからビール飲む?」
おしぼりを受け取りながら、友香は頷いた。
「あれ?もしかして大将の彼女?」
一つ空席を挟んだ隣にいるサラリーマンが綾瀬に問う。
「はは、秘密です」
営業用の笑顔で綾瀬が答えた。
「いやー、こんな店に若い女性が一人で来るなんて、絶対大将のいい人でしょー」
サラリーマンたちは口々に笑いあう。
常連が多そうだ。
客は全て友香と同年代かそれ以上のサラリーマンばかり。
威勢よく挨拶をしているアルバイトだろうか?
その若々しさが少し場違いなくらいだ。
21時頃には向かう。
そう告げたはずなのに、オープン用の広告の修正に思ったよりも手間取ってしまった。
結局事務所を出られたのは21時。
急いで車を飛ばしたけれど、もう少しで22時を回ろうとしている。
「っしゃいませーっ」
少し重たい木戸を開けると、数人の威勢のいい声が響く。
その中には、綾瀬の声も混じっていた。
声の主を探すと、カウンターの奥から綾瀬が笑いかけている。
会釈をすると、綾瀬は自分の目の前にある席を指差した。
指定された席に座る。
カウンターは10席もないが、半分以上が埋まっている。
一番角の落ち着きそうなスペース。
友香のために綾瀬が取っておいてくれたのだろうか。
振り返ると、掘りごたつ形式のテーブルが4つ。
こちらもちょうど半分が埋まっていた。
「友香ちゃん、せっかくだからビール飲む?」
おしぼりを受け取りながら、友香は頷いた。
「あれ?もしかして大将の彼女?」
一つ空席を挟んだ隣にいるサラリーマンが綾瀬に問う。
「はは、秘密です」
営業用の笑顔で綾瀬が答えた。
「いやー、こんな店に若い女性が一人で来るなんて、絶対大将のいい人でしょー」
サラリーマンたちは口々に笑いあう。
常連が多そうだ。
客は全て友香と同年代かそれ以上のサラリーマンばかり。
威勢よく挨拶をしているアルバイトだろうか?
その若々しさが少し場違いなくらいだ。