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Complex
第4章 新天地
目の前に座る20代半ばのカップル。
来年結婚することになり、新居の相談だ。
新郎の親が持っている土地を譲り受けている。
最近の若者は堅実だ。
30代半ばの友香はそう思う。
例えば家を建てるとき、土地付の建て売りや新築で家を建てようとすると、一般のサラリーマンがぽんと出せる額ではない。
ローンを組むにしても、ボーナス払いは今のご時世勧められない。
将来数十年に渡って、ボーナスが貰え続ける保証はどこにもないのだ。
なおかつ固定資産税などの余裕のことも考えると、最低でも家賃程度の返済額での計画になる。
そうすると少なくても25年から35年のローンを組むことになる。
34歳の友香が家を建てようと思ったら。
35年ローンを組んだら69歳まで払うことになる。
それは現実的じゃない。
だからこそ、こうして20代で家を購入しようとする人が増えているのだ。
憧れのマイホーム。
夢の新婚生活。
友香の前で、お互い目を合わせながら希望を語る二人も。
理想を口にはするが、現実をよくわかっている。
限られた予算内でいかに理想に近づけるか、調べ尽くしているのだろう。
それは、友香にはない、未来だ。
来年結婚することになり、新居の相談だ。
新郎の親が持っている土地を譲り受けている。
最近の若者は堅実だ。
30代半ばの友香はそう思う。
例えば家を建てるとき、土地付の建て売りや新築で家を建てようとすると、一般のサラリーマンがぽんと出せる額ではない。
ローンを組むにしても、ボーナス払いは今のご時世勧められない。
将来数十年に渡って、ボーナスが貰え続ける保証はどこにもないのだ。
なおかつ固定資産税などの余裕のことも考えると、最低でも家賃程度の返済額での計画になる。
そうすると少なくても25年から35年のローンを組むことになる。
34歳の友香が家を建てようと思ったら。
35年ローンを組んだら69歳まで払うことになる。
それは現実的じゃない。
だからこそ、こうして20代で家を購入しようとする人が増えているのだ。
憧れのマイホーム。
夢の新婚生活。
友香の前で、お互い目を合わせながら希望を語る二人も。
理想を口にはするが、現実をよくわかっている。
限られた予算内でいかに理想に近づけるか、調べ尽くしているのだろう。
それは、友香にはない、未来だ。