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Complex
第4章 新天地
10月も半ば。
夜になれば肌寒い風が吹く。
会計を済ませた客が扉を開けると、その風に友香の体が震える。
電線の入ってしまったストッキングを脱いでしまったため、スカートからのぞく足をその風が容赦なく冷やす。
「寒い?」
そう言うと綾瀬はどこからかひざ掛けを持ってきてくれた。
なぜストッキングを脱いでしまっているのか。
なぜあんなにも崩れた顔をしていたのか。
きっと、なんとなく想像はついているのだろうか。
綾瀬は何も聞いてくれない。
だから、友香も黙っているしかなかった。
すべての客が帰ると、綾瀬は若いスタッフに声をかけてバンダナを外す。
「帰ろうか?」
以前とは逆に、店じまいを任せて外に連れ出してくれた。
どこに行くこともできず、二人で友香の車に乗り込む。
お酒の入っている綾瀬は今日はおとなしく助手席におさまってくれた。
本当なら、こんな友香の代わりに運転してあげたかったけれど、それを口には出さなかった。
夜になれば肌寒い風が吹く。
会計を済ませた客が扉を開けると、その風に友香の体が震える。
電線の入ってしまったストッキングを脱いでしまったため、スカートからのぞく足をその風が容赦なく冷やす。
「寒い?」
そう言うと綾瀬はどこからかひざ掛けを持ってきてくれた。
なぜストッキングを脱いでしまっているのか。
なぜあんなにも崩れた顔をしていたのか。
きっと、なんとなく想像はついているのだろうか。
綾瀬は何も聞いてくれない。
だから、友香も黙っているしかなかった。
すべての客が帰ると、綾瀬は若いスタッフに声をかけてバンダナを外す。
「帰ろうか?」
以前とは逆に、店じまいを任せて外に連れ出してくれた。
どこに行くこともできず、二人で友香の車に乗り込む。
お酒の入っている綾瀬は今日はおとなしく助手席におさまってくれた。
本当なら、こんな友香の代わりに運転してあげたかったけれど、それを口には出さなかった。