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やさしいんだね
第2章 情熱は二種類
 23時キッカリに塾の最寄駅に迎えに来たソンに行く先を聞いたときから抱いていた嫌悪感が小百合の背中に冷や汗となって現れる。

 臨月の妊婦を毛むくじゃらにしたような腹を持つ神谷の、その下にある短くて柔らかいカスだらけの汚いモノが背後から自分の身体の中に入っていると思うと、小百合は柄にもなく涙が出そうなくらい辛い気持ちになった。
 
「ほんとうに、フフ・・・小百合ちゃんのおまんこは気持ちいいよぉ・・・お尻の穴なら、もっと気持ちいいだろうけどねぇ・・・フ、フフ・・・」

 こんなセリフを、青い髭剃り跡とたるんだ皺の目立つ死にかけのブルドッグのような染みだらけの顔で、小百合の締りのいいあそこが彼に直に与える快感を夢中で得ながら、薄い頭髪をエアコンのそよ風で揺らしつつ、耳元に囁かれたせいでもあるが。


 今まで何百人も相手してきたから、ある程度の不潔さには慣れている。
 それに淫語を聞くことも言わされることも慣れっこだ。
 男性器を口に含んで延々舐め続けて精液を飲み干すことだってだって当然出来るし。
 ケツの穴だって、希望されれば舌を這わすことくらいなんてことない。
 これといって辛くもなく、耐えられる。

 でも。
 神谷だけはどうしても受け付けられない。
 ほんとに、存在そのものが、イヤ。

「あぁ・・う・・・もしかして、ねぇ・・・イヤ?神谷のこと・・・き、嫌い?小百合ちゃん、フ、ねぇ、何か言って?」
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