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やさしいんだね
第6章 他人の快楽は夕刻の改札で
 ―――そうなの。ボク、お兄ちゃんに用があるの・・・・ごめんね、シズクちゃん。ボクね、お兄ちゃんに気持ちよくしてもらうっていう、だぁいじな、用があるから・・・いま・・・遊べない・・・。



 ヒカルは自身のモノをソンに弄ばれながら、短い息を繰り返していた。



 ソンはヒカルのモノから一度手を離すと、下着をか細い両脚からするすると引き抜いてしまった。
 ソンの目線はヒカルでなく、小百合の方を向いていた。



 ―――・・・あぁ?なんだ、テレビは・・・?へへへ。なんだ。テレビよりこっちに興味があんのか?見たかったら見てもいいぞ。こっち来いよ。ほら見ろシズク。珍しいか?ほら。脱いだらちゃあんと男の子だって証拠があんだろ?へへへ。これで思い出せそうか?お前んちで初めてヒカルに会ったときのこと・・・。


 小百合が勃起した男性器を目にしたのは人生2度目であったが、記憶の中のそれとは似て非なる物で、ヒカルのそれはグロテスクな形をしていたけれど、しかし毛に覆われることもどす黒く変色していることもなく、だから小百合は率直にそれを綺麗だと感じてしまっていた。
 それはヒカルの容姿と同じことで、自分よりもよっぽど穢れなく綺麗なものだと、小百合は感じてしまったのだ。


 だから戸惑いはしたものの、男性であるソンが少年であるヒカルの身体を貪っている事実を否定する気持ちは起きなかった。
 
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