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やさしいんだね
第4章 ロストバージン
 セーラー服が小百合の身体から引き抜かれる。
 その拍子に小百合の柔らかい髪の毛が乱れ、顔にかかった。 
 慌てて手のひらで払い落とすと、頭上で松浦が歯を見せて優しく微笑んでいた。
 
 1ヶ月間、恋焦がれた笑顔が目の前にある。

 鼓動が全身に響く。
 小百合の胸は痛いくらいだった。
 松浦のシャツのボタンに手をかけることも忘れ、小百合は松浦の笑顔を見つめ続けていた。
  


「・・・小百合ちゃんってほんとうに、かわいいね」



 松浦もまた、微笑みながら小百合をしげしげと眺めていた。
 けれどもじきにそんなことを呟き、松浦は小百合をそっと、ガラス細工を扱うように慎重に優しく腕の中に抱き寄せた。



「俺さ。この1ヶ月、小百合ちゃんのことばっかり考えてたんだ。バカみたいだろ?」



 松浦は背を丸め、覆い被さるようにして小百合を抱きしめ続ける。
 大きな手のひらが肩のあたりからゆっくりと背中をすべり落ちてゆく。
 淡い刺激に小百合の身体はびくっと震え、下着をつけたままの股間からじんわりと温かいものが溢れ出た。
 淡いピンク色のブラジャー越しに、松浦が大きな手のひらで小百合の乳房を優しく撫でる。
 期待は破裂しそうなほど膨らんでいる。


「今日会えるのが楽しみすぎて・・・ここに来るまえすごく緊張しちゃってさ。勃つかどうか不安になったくらいだったんだ。だってさ」


 切ない吐息を漏らす小百合の首筋に、松浦は小さく囁いた。


「好きな女の子と一緒に誕生日を過ごせるなんて、生まれて初めてなんだ」


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