この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
やさしいんだね
第4章 ロストバージン
「スカート、うしろ、血、汚れてるわよ」


 手を捕まれ驚いて目をやると、女は生理用品を小百合に握らせていた。


「使って」


 ハッと気付き、小百合は慌てて襞スカートを引っ張って尻の辺りを確認した。
 紺色の生地でもハッキリと分かるくらい、べったりと血液が付着してしまっていた。
 愕然として小百合が顔を上げたときにはもう、女は雑踏に紛れてしまったあとだった。


 小百合は八田が自分にパーカーを差し出し腰に巻いて帰れと言った理由をようやく理解し、一度は階段のほうに向けた足を再びトイレへ向けた。


 無意識に視線を向けた改札の雑踏のなかに、八田の後ろ姿が見えた。
 いや。
 正確には、振り向いて小百合の姿を確認しようとした、横顔だ。


 その横顔がぐらりと歪み、ぶつりと音を立てて途切れた。
 


 あの時とは、違う。



 冷たいタイルが強い衝撃と共に小百合の頬に広がった瞬間、小百合はそう自分に言い聞かせた。




 あの時とは違う。
 似ているけど、違う。
 だってこれは、好きな人と、望んでしたことの結果だから。
 わかってたのに。





 ―――バカみたい。わたし。







 ・・・・そんなふうに。



/96ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ