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初音さんの二十日間
第2章 14年後のマシュマロちゃん
「人が多くて探せないのよ。柊二くん、どんな服装してる?」
『あ、えーと、黒のPコートにデニムと…編み上げはいてます』
「黒のPコート…と」
マシュマロちゃんに黒いPコートを着せてブーツをはかせてみたけど、そんな人見当たらないし。
つうか、
「Pコート多すぎ!」
『あー、チェックのマフラー巻いてます。赤っぽいタータン』
「赤のタータンね…えーと」
数メートル先で私に背を向けた、ほっそりとした長身の男の子。タータンチェックのマフラーを無操作に巻き付けている。
いい感じにくたってるデニムに包まれた脚が驚くほど長く、さらっとした髪の、毛先だけを遊ばせたスタイルがイマドキっぽくて…。
えええ?
「しゅ、柊二くん?」
スマホを耳にあてたまま、振り向いた男の子の声が、目の前と耳元からダブって聞こえた。
「初音さん?」
ぎゃー!眩しいほどのイケメンが、にこにこしながら歩いてくるー!
「お世話になります!」
差し出されて握った右手は、あの頃のもちもち感など感じない、ゴリゴリと骨ばった男の人の手のひらだった。
『あ、えーと、黒のPコートにデニムと…編み上げはいてます』
「黒のPコート…と」
マシュマロちゃんに黒いPコートを着せてブーツをはかせてみたけど、そんな人見当たらないし。
つうか、
「Pコート多すぎ!」
『あー、チェックのマフラー巻いてます。赤っぽいタータン』
「赤のタータンね…えーと」
数メートル先で私に背を向けた、ほっそりとした長身の男の子。タータンチェックのマフラーを無操作に巻き付けている。
いい感じにくたってるデニムに包まれた脚が驚くほど長く、さらっとした髪の、毛先だけを遊ばせたスタイルがイマドキっぽくて…。
えええ?
「しゅ、柊二くん?」
スマホを耳にあてたまま、振り向いた男の子の声が、目の前と耳元からダブって聞こえた。
「初音さん?」
ぎゃー!眩しいほどのイケメンが、にこにこしながら歩いてくるー!
「お世話になります!」
差し出されて握った右手は、あの頃のもちもち感など感じない、ゴリゴリと骨ばった男の人の手のひらだった。